【早稲田大学図書館】IIIF アノテーション使用例

重要文化財「芝蘭堂新元會圖」

IIIF 対応ビューワ

Mirador 4を利用した高精細画像へのアノテーション付加例

 早稲田大学図書館が所蔵する重要文化財のひとつに「芝蘭堂新元會圖」がある。これを高精細で撮影したデジタル画像データに対して、IIIF対応ビューワーに読み込ませるためのマニフェストを作成した。公開中の画像は以下の文化資源データベースから閲覧可能である。

 さらにデジタル上での資料活用の一例として、IIIF Presentation API Ver.3では、IIIFマニフェストで表現される画像に対し、アノテーション(annotation)を付加することができる。以下の例は、早稲田大学図書館特別資料室のスタッフが翻刻したテキストに基づき、資料中の原文箇所とマッピングして、対応する翻刻および補注のテキストデータをアノテーションとして紐づけ、ひとつの画面上で原文画像と翻刻文を対照できるようにしたものである。

アノテーションの付与に当たっては、中村覚氏作成のIIIF Annotatorを使用させていただいた。

【参考】
IIIF画像に対して、多角形のアノテーションを付与するツールを作成しました。

<https://zenn.dev/nakamura196/articles/5e89dc0af23a78>(2026.4.7 確認)

 IIIFは、画像・音声・動画ファイルを主としてその相互運用性を図る規格であり、その設定ファイルであるマニフェスト(manifest)はJSON形式で記述されるデータファイルである。これを解読処理できるプログラムさえ用意すれば多様な活用が可能であり、たとえば資料テキストを読解するために必要となる書誌情報、対校される諸本の情報のほか、校異情報や、釈読、注釈といった情報を載せることも可能である。アノテーションは、IIIFマニフェストで用意されたタグ要素の一つに過ぎないが、その活用の仕方は作成者の発想次第である。

 以下は国内で公開されている事例であり、IIIF対応のビューワーツールでアノテーション情報を表現させたものである。原資料の形態を損なわずに分析・読解した情報を示すことができるという利点は、デジタル資料ならではといえよう。

倭寇図巻デジタルアーカイブ<https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/collection/digitalgallery/wakozukan/>

大正新脩大蔵経図像部<http://dzkimgs.l.u-tokyo.ac.jp/SATi/images.php>

 以上はIIIFによる画像データを軸とした資料の活用例であるが、他方でテキストデータを中心として相互運用可能な規格を定め、活動が広がっているものに TEI(Text Encoding Initiative)がある。TEIの取り組み事例についても、また別稿として紹介したい。